ドラム・音楽の中でのポケットについて

Pocket

8ビートや16ビート(その他のグルーヴ・パターンも含む)などの、バックビート~2拍目と4拍目のスネア~を叩く時の、気持ち良い/絶妙なタイミングのことだ。

もちろんバックビート以外のフィルインなどでも同じくポケットというものは存在する。とにかくスパっとハマる気持ち良いタイミングが存在する。

そしてもちろん、人によってそのタイミングの感覚は違う。ただし、大多数の人間が気持ち良く感じるポケットは、大体以下の内容の枠内に収まっている。

メトロノームと演奏した時、2拍目、4拍目のスネアと共にメトロノーム音が聞こえなくなる/消し去られる、ジャストのタイミングがあり、このジャストのタイミングの0.01秒の中に、更に細かいポケット枠が存在し、この細かいポケット枠の後ろのあたりが、基本的に聴き手にも気持ち良く聞こえるポケットのようだ(あくまで一般的に)。

言葉で説明するとなんのこっちゃと思うかもしれないが、簡単に言うと、~メトロノームと噛み合うジャストのタイミング内の少し後ろのあたり~というイメージだ。

この、人によって異なってくるであろう、細かいポケット枠内でスネアを叩くタイミングこそ、打楽器は勿論のこと、音楽で一番重要な自分の個性となる。

これだけは強く言いたい・・・リズム感のない人間など存在しない。自分の体内に生まれつき備わっているタイム感やタイムの癖を片っ端まで理解しようと意識し、もし演奏時にバンドやメトロノームと不快なほど合わなければ、調整をしていくことで生まれつき備わっているリズム感/タイム感が洗練されていく。

リズム感に関しては、元々体内にあるものを調整していくという流れになる。

それでは、非常に感覚的要素が強い話になるが、人間の体内に元々眠っているリズム感/タイム感の覚醒方法を以下に書いてみた。

意識方法:

~メトロノームに対してジャストで叩く事が出来る上で、ポケットは生まれてくる~

まずは細かいことは考えず、8ビートの2拍目・4拍目のスネアを、メトロノームに対してジャストに叩けるように練習した上で、先ほど言った、ジャストの中の細かいポケット枠=ある程度クリック音が消えてくれる枠内で気持ち良いタイミングを探る。最初はなるべく遅いテンポでやった方が効率的。

*上記で書いた、細かいポケット枠を探る時に、もし自分でもどのタイミングが気持ち良いのか分からないなら、頭の中で、誰か好きな/気持ち良いと感じるドラマーのスネアのタイミングやグルーヴ感を集中して聴いてみよう。そして、ドン・タン・ドド・タン・・・などと、カウントではなくドラム音を口に出して歌い、その感じを真似してみる。

何となくまとまったら、実際に先ほど歌った感じを実際に叩いて再現してみる。そして、ある程度自分の中で気持ち良いタイミングで叩けているように感じたなら・・・ここからが本題になる。

果たして、ライブでのオーディエンス/聴き手や一緒に演奏してるバンドメンバーにも、自分が練習で感じた気持ち良いポケットの感覚通りに聞こえているのだろうか・・・また、体内で感じてるタイミング通りに叩けているのだろうか・・・

もしもそうじゃなかったら、自分だけ勝手に気持ち良いだけで、マスターベーションの公開発表になってしまう。ここで再度、グレッグ氏のブログでも紹介した、セルフ・アナライジング(自己分析・解析)の作業が非常に有効になってくる。

この時にやるセルフ・アナライジングでは主に、~自分のプレイを第3者として聞いた時に、体内で気持ち良いと感じたタイミングと、実際に叩いた出音のタイミングが一致しているか~である。体内時計と出音の感覚一致を目指す。僕自身も常にここを目指している。

最近日本でもドラムクリニックをやり、日本でも知られ始めた、Benny Greb(ベニー・グレブ)氏も、「自分の体内で気持ち良いと感じるポケットと、実際に叩いて出してる音とのタイミングの誤差を出来る限りなくすことが将来的なゴールだ」と、常に述べている。

現代の音楽ではだいたいの場面で、メトロノームに対して大きく前のめり気味や後ろ気味など、注文されることはかなり減ったと感じる。この先更にDTM等、コンピューター技術が発達していくだろうから、機械には表現出来ない、生の人間にしか出せない独特のタイミングやフィールなど、生身の体から出てくるおもしろいものはこれからも大事にしていきたい。

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