ロサンゼルスの師匠たち④アラン・ワディントン氏

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曲中でドラマーが意識するべき2大重要ポイント

①「イントロ/前奏が終わってAメロに入る時(歌に入る時)にクラッシュシンバルを叩くか叩かないか・・・」

ドラム的な視点だけで考えると、曲の中で違うパートへ移り変わる時は、フィルインからシャーンとシンバルを叩きたくなるかもしれないが、必ずそうとは限らない。もちろんその曲によって違うというのが正論だ。

やたら4小節に一回必ずフィルインを入れて、シンバルを叩いて歌が始まるパターンも良く聞くが、重要なことは・・・

それをドラム的に都合がいいからやるのか、曲のイメージに合うからやるのか・・・とでは天と地の差が出てくる。偶数小節数の4小節や8小節周期だから何かフィルを叩くという理由だけでなら、何もしないほうが安全だ。

例えば、Aメロの歌の入りが物凄くパワーのある歌詞で、すごく強い息遣いで入ってきたり、語頭に強いアクセントがあったり・・・そんな時はシンバルを叩くと似合う。

シンバルを叩かない場合は、1つ前の拍の8分ウラや16分ウラにハイハット・オープンを入れるのもオシャレだ。もちろんハイハットオープンの後にシンバルは叩かない。

②「盛り上がるサビから落ち着くAメロに戻ってきたとき、音量は下げても、*Intensity~インテンシティー~*(以下参照)は保持するように」

自然と言えば自然だが、大きな音量のところからいきなり音量を下げて叩くと、テンションも下げ目になってしまう。すると、タイムがちょっと遅れ気味になったり、それにつられて音自体に迫力がなくなってしまう(特にスネア)。

要するに、音の厚みはそのままで、タイムも前に引っ張っていく強さを保ちながら、音量だけコントロールする。

これがすごく難しいが、かなり役立つことなので常に意識したい。タイム感の要素と音色面の要素が同時に必要になる。

僕の場合、小さい音量でもスネアは可能な限りリムショット(小さい音量でのリムショットは難しいので要注意)をして、音の厚みを稼ぐようにしている。

万が一、リムショットの音色が曲に合わない時は、リムを絡めずにヘッドだけを叩くこともある。ただ、必ずインテンシティーは失わないように心がける。(インテンシティーの意味合いについては*以下参照*)

ちなみに、ハイハットのインテンシティーを失わないようにするには、スティックのショルダー(横側のエッジのところ)で、ハイハットのエッジ(表面ではなく横の角のところ)を深く叩けば叩くほど分厚い音が出る。ハイハットに迫力が感じられない時に有効的だ。

 

*Intensity~インテンシティー~* = 力強さ、強度、集約度、厚み、深く(感じること)、という意味合い。

・アクセント=音の大きさ / インテンシティー=音の強度、厚み(音圧)。

・アクセントはつけてなくても、その1打に全身全霊を集中させて大事に叩くイメージ。    

・アクセントとはまったく違う表現法。海外では、音楽の場ですごく頻繁に使う言葉。

・フィール/タイム面のお話では、例えばタイムがLaid Backしてジャストより後ろにいつつ、バンド全体を引っ張る力も共存している状態であること。

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