ロサンゼルスの師匠たち①ジョー・ポーカロ氏

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with Dr. Joe Porcaro
with Dr. Joe Porcaro

ミュージシャンなら知らない人はいないであろう、TOTOのオリジナルドラマー・Jeff Porcaro(ジェフ・ポーカロ氏)の父である、Joe Porcaro(ジョー・ポーカロ氏)。ジョー氏自身もロサンゼルスでは知らない人はいない、偉大なスタジオドラマー/パーカッショニストである。

ロサンゼルス郊外のご自宅に毎週通わせてもらいながら長年師事し、プライベートレッスンをみっちり受けた。自分自身は以前ハワイに住んでいた頃から、アメリカ本土、特にロサンゼルス(西海岸)の音楽シーンや音楽家にかなり着目していたため、ジョー氏に師事したいとずっと強く願っていた。

とあることがきっかけで、ロサンゼルスから少し南に行ったアナハイム・コンベンションセンターで毎年開催されている世界最大の楽器展・NAMM SHOW(ナム・ショー)に行くことになった時に、アラン・ドーソン・ドラムスクール主宰の水野オサミ氏からの直接の紹介を受けてお話をさせていただいたところ早速、「来週から家に来なさい」と言われ、連絡先と家の地図を渡された。そして憧れの師匠とのレッスン生活が始まったわけだ。

自宅のスタジオにはドラムセットが向かい合って2台並べてあり、TOTOに関するディスク、グラミーに関するものや、ジョー氏自身の輝かしい経歴を彩る賞などがところ狭しと飾られている。

ジョー氏は左利きで、ドラムセットも左利きセッティング。そのため、通常の右利きセッティングのドラムセットを向い合わせると、まるで鏡に映ってるかのような状態になる。向こうが叩いてることをそのままヴィジュアル的に真似するようにレッスンを受けれるので、習得が早かった気もする。

レッスン初日の緊張の嵐のなか・・・セットに座るやいなや、「何か叩いてみて」と言われ、頭が若干真っ白になりながらもスロー・ミディアムテンポのジャズのスウィンググルーヴを叩いたことだけは鮮明に覚えているが、細かくどうプレイしたかは覚えてない。それほど緊張していたようだ・・・

その後は、一瞬で僕がどういうプレイヤーなのかを理解した様子で、ジョー氏は言葉を発した。「君は一通り手足のテクニックは習得してきたようだ。次の最も大事なステップ、グルーヴ/フィール/オリジナリティを鍛えていこう」と・・・・ 

正に自分がちょうどその時悩んでいたポイントを見事に見破られた。

その後レッスンに進んでいくが、ジョー氏のレッスンは主にご自身の教則本・Joe Porcaro Drum Set Methodを使って進んでいった。もちろんあのRalph Humphley(ラルフ・ハンフリー)氏と立ち上げた、MI・ハリウッド校でも使っていた教材もいくつか登場した。

これに加えて、更に音楽的なアプローチを自由に出来るようになるために、今一度Ted Reed氏のSyncopation、そしてLouis Bellson氏のModern Reading Text in 4/4も同時に見直しを始めた。

ジョー・ポーカロ・ドラム・セット・メソッド
ジョー・ポーカロ・ドラム・セット・メソッド

JOPO Drum Set Methodには、3ストロークラフやフラムからパラディドル系まで一般的なルーディンメンツを、それぞれのジャンル分けされた音楽のグルーヴ・パターンの中で、どうドラムセットに応用して使うのかということが主に書いてある。ある意味、ネタ帳のようなものだ。

実際のレッスンではこの本を使い、一つのルーディメンツに対してのオーケストレーション法を何種類も常に披露してくれた。

ちなみにオーケストレーションとは、ドラムセットの中で、一つのパターン(手順)で、アクセントをタムに移動したり、キックに当て変えてみたり、シンバルに移動したりと発展・応用させていくことを言う。

特にジョー氏のオーケストレーションのバリエーションの多彩さには未だにすごく驚く。何回も目の前でプレイしてるところを見ても、やはり順番的に叩くなどの法則はほとんどない。最初に頭の中でフレーズの音程や何だかのメロディーが流れていて、それに沿って音程の合う箇所を叩いていくというやり方だ。

これを練習すると、頭に浮かんだ事を直ちに手足に伝達して、即時に叩けるようにする、~Transmission(伝達)~という、ドラマーとしての常に最終目標となる動作が出来るようになってくる。

「シンバルの後に必ずタムへ移動するなどといった、なんだかの規則を頭で考えることはほとんどしない」と、本人も述べている。

「まず一つ好きなルーディメンツを選び、それをタムやシンバルやキックに移動したらどんな感じのメロディーが出来上がるか、また、どんなメロディーにしたいか・・・なんとなく歌って想像してみてからスティックを握ろう」と、常に注意されていた。

日本の教育の現場では未だに100%浸透していないことが残念だが、自分が叩く/叩きたいパターンを声に出して歌うということが非常に大事である。自ら試してみると、声に出して歌うことで、体が内容を消化して、早く理解してくれるのだろうか・・・意外と叩けるようになってしまう。このやり方のほうが上達スピードが早くなるということだ。

そして何よりも、シンプルで声に出して歌えるようなフレーズということは、音楽的であるという証拠なので、聴き手にもドラムが歌のように聞こえる。実際にドラムを叩く前に歌って、そして歌いながら叩くことを大切にしていきたい。

*今回ご紹介した教本、特に以下の2冊は、世界標準で様々なドラム・音楽教育の場で使われていて、手に入れて損はないです。是非チェックしてみて下さい。
(↓こちらの写真から、または当サイトのドラマーズ・ショップからも詳細確認可能)
(*上記のジョー・ポーカロ・ドラムセットメソッド/1冊目に関しては、現地からの調達可否について確認が必要なため、ご興味があればお問い合わせページ内のメールアドレスにご連絡ください)

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